のりブログ

ゲーム関連記事および雑記などを書いています。

敷居の低いゲームは売れる!

こんにちは!のりです。

私が今まで関わったゲームの中で、売り上げに直結する要因として、敷居の低さというものがあります。

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例を挙げるとすれば、キャラの多さなどです。キャラが多いとユーザには喜ばれると思われがちですが、その喜ばれ率に反して、売り上げは大抵下がります。おそらく、キャラが多すぎて、何か難しそうと思われてしまうのでしょう。

しかし、キャラが多くて売れているゲームも沢山あるという意見はあると思います。実際その通りで、沢山のキャラがでて盛り上がっているゲームはあります。

さて、キャラが多いのに売れているゲームとキャラが多いと難しそうと敬遠されてしまうゲームの違いは何でしょう。これは、キャラの操作方法の違いが関係します。

あるキャラがいて、そのキャラと全く同じ操作方法で、動き等も似ているが、モデルだけ違うといったキャラがいます。これは、コンパチキャラと言われていて、ゲームシステム的には、1キャラ分の操作方法を覚えれば、どちらのキャラも使いこなせるため、難しいといった印象をあまり持たれません。RPGで言えば、剣士タイプがいっぱいいて、全員ちょっと技の性能が違う場合や、攻撃、魔法といった行動が2種類しかなくて、キャラごとに違う技や魔法が出るといった場合です。アクションゲームでも似たように、基本的にあるボタンで攻撃、あるボタンで必殺技などが固定されており、キャラによって、威力やエフェクトが違うなどで、格闘ゲームなどでも、基本は同じコマンド入力で、これまた威力やエフェクト、スピードなどが違うといった場合です。

コンパチキャラは、ゲーマーの方々からは、なんだコンパチかよ!という開発側の手抜きのように思われがちですが、コンパチキャラを増やす方が、初心者にやさしく敷居の低いゲームになりやすいです。

逆に、モデルも技の性能も、操作方法もだいぶ違うタイプのキャラは、新キャラと呼ばれます。新キャラの方が、ゲーマーの方々には、おっ!新キャラだ!といった感じで、大変喜ばれますが、新キャラが増えれば増えるほど、そのキャラごとの操作を覚える必要があり、ゲームを楽しむために必要な知識量が増えていきます。

こうなると、初心者の方には、このゲームは難しいといった印象が強くなり、離れてしまうことが多いです。逆に、1キャラの操作方法を覚えるだけで、楽しめるコンパチキャラが多いゲームは、何かこのゲームなら自分にもできそうといった感じで、買ってくれたりする方が増えます。

割と、コアゲーマーの方は、敷居が高くても、低くても、とりあえず買ってやってみるという方が多いですが、新規ユーザーの方は、やはり自分でも楽しめる難易度なのかといったことや、周りの感想などを頼りに購入を決めることが多いです。

とは言え、敷居が低いと、コアゲーマーの方々は、なんだこのぬるいゲームは!となり、それはそれで離れていってしまうため、絶対的に敷居を低くすればいいというものでもありません。コアなファンに支えられているゲームなどは、下手に敷居が低い簡単なゲームにしてしまうと、新規ユーザーどころか、コアユーザからも飽きられてしまうため、わざと難しいゲームにして、コアユーザにさえ売れればとりあえずはいいという方針のプロジェクトもあったりします。

ゲーム内容以外の敷居の低さというと、値段などもあったりしますが、値段を下げるということは、簡単にできるものでもなく、いくら売れても赤字になるような価格設定にしても仕方が無いので、安くしてとりあえず多くの人に普及しようと考えるプロジェクトは少ないです。

今までの経験上、それなりに難しいシステムのゲームで、ちょっと簡単なシステムにしてストーリーやムービーなどを追加したモードを作ったりした際は、今までのコアユーザからは、そんなモード作るくらいなら、新キャラ増やせよ!といった意見や、もっと他のモードを面白くしろ!やもっとアイテムのバリエーションを増やせ!など手厳しい意見を頂きましたが、その意見に反して、前作の5倍以上の売り上げとなり、あまり意見は言わずともちゃくちゃくと楽しんで頂いている新規ユーザの方々が大幅に増えるといったことがありました。

逆に、コアユーザの方々から、あまりにも手厳しい意見を多数頂いたため、次の作品では、新キャラを大幅に増やしたり、既存のモードを改良して、とても奥が深いゲームにしてみて、かなり凝ったゲームにしてみたといったことがあったのですが、発売当初、コアユーザの方々からは、これは神ゲーだ!これはすごい!最高だ!なんて絶賛の嵐でしたが、それに反して、売り上げはひどいもので、赤字すれすれの売り上げでした。その後も、コアユーザの方々には何年も愛され、未だに最高傑作なんて呼ばれることもありますが、数年経った今もその時の売り上げの低さが響いて、何かと開発予算に支障がでたりすることもあります。

この話だけで言えば、その最高傑作とやらが、実はたいして面白くなかっただけじゃないのか?なんて言われてしまいそうですが、その次の作品で、逆にキャラも沢山減らして、キャラを増やすにしてもできるだけコンパチキャラにして、ゲームシステムもかなり簡略化して、費用的にも1/3くらいで作ったのですが、これが大反響で、最初の5倍以上売り上げたという作品のさらに2倍の売り上げとなり、やはり敷居の低さというものは大事だなと実感しました。

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以上のようなことがあって、私はゲームを開発する上で、敷居の低さというものを、一番重要なことに上げています。まあ、プロデューサーでもディレクターでも、プランナーでもない、プログラマーが何を言っているんだと思う方もいるかもしれませんが、それでも敷居の低さって大事だと思います。敷居の低さを意識するということは、多くの人にとって、とっつきやすいゲームを作るということで、これを意識しないとすぐ、開発者が自分勝手に作ったゲームが生まれてしまいます。開発者も楽しめるゲームじゃなきゃ意味がないなんていう人もいますが、開発者だけが楽しめるゲームほど滑稽なものはありませんからね。

といったところで、敷居の低いゲームは売れる!でした。