のりブログ

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ゲーム開発技術における特許について

こんにちは!のりです。

今回は、何となく特許について書いてみたいと思います。特許というと、何かすごく画期的なものを発明した際に取得する印象がありますよね。先日発表された任天堂の新ハード「Nintendo Switch」も、コントローラの仕組みについて発売前に特許をとったようで騒がれていました。ゲーム会社関連でいうと、ハード以外にもクレーンゲームのようなゲームセンターの筐体の仕組みについての特許などもあります。

さて、特許というとこのようなハードに対してのものを思い浮かべる方が多いと思いますが、実はソフトに対する特許の方が多かったりします。ソフトの特許というとどんなものを思い浮かべるでしょうか。普通は、ぱっと思いつかないと思います。私も正直、自分で持ってる特許くらいしか思いつきません。(笑)

ということで、今回は印象の薄い、ゲームソフトの特許についてや、実際の特許の申請手順、特許で入ってくる収入などについて、自分の経験と中途半端な知識でちょっと書いてみたいと思います。

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目次

ゲームソフトの特許

有名なものとして、ATBシステムや、キャラを中心にカメラを回すなど

FFのATB(アクティブ・タイム・バトル)システムなんかは有名ですよね。バーが溜まっていき、バーが満タンになるとコマンドを選択して、キャラが行動するシステムです。

特許を取得した場合、そのシステムを使用するには、ライセンス契約が必要となり、ATBについては、この特許により、他の会社が無断で類似ゲームを作ることができなくなったことで有名です。

また、3Dのゲームが出始めてきた頃に、キャラを中心にカメラを回す仕組みについての特許なんてものもありました。3Dのゲームにおいて、キャラを中心にコントローラーでカメラをぐるぐる回すなんて、いろんなゲームでよくみるシステムなので、いろんなゲーム会社が特許を回避するのに必至だったと聞きます。

よく聞く回避方法は、カメラを固定して、キャラやマップをまるごと回転させるなどでカメラを回しているように見せるなんて方法があります。特許に書かれた方法と同じ方法でなければ、見た目が同じでも特許には触れません。

しかし、特許をとった人や会社はいいですが、とられた側は面倒くさいことこの上ないですよね。ゲームを作る際に他社に相談したり、お金を払わなければならないとか。とは言え、特許を侮ると余計に面倒なことになりますので、大抵のゲームはある程度完成してきたら、他の会社の特許に触れていないかなどをチェックしたりします。

私の持っている特許

と言いつつ、私も描画関連、カメラ関連、システム関連などでいくつか特許を取得しています。ロード時間短縮や、シェーダのアルゴリズム、ゲームシステムのユーザビリティを上げる内容などで、たまに他の会社のゲーム内で使用されていることもあります。

特許の申請方法

仕様をまとめて、弁護士弁理士さんにお願いする

(2016/11/16 追記: 特許申請は、「弁護士」ではなく「弁理士」とのコメントを頂きまして、文章を修正しました。お恥ずかしながら、ずっと勘違いしておりました。)

ゲーム開発の特許というと、どことなく軽い感じがするかもしれませんが、ちゃんと護士弁理士さんにお願いして、何やら難しい文書の作成を依頼します。甲、乙みたいなやつですね。

まず始めに、技術の内容について、ワードやPDFなんかにまとめて、弁護士弁理士さんに渡します。ゲーム画像なんかも出せる範囲で貼り付けると話が早く進みます。

弁護士弁理士さんが文書化する

ここで、弁護士弁理士さんが渡された資料を元に文書化するのですが、弁護士弁理士さんがゲーム開発技術の仕様をみても、よく分からないんじゃないかと思う人もいるのではないでしょうか?正直、私も初めて特許を申請した際は、そう思っていました。

しかし、さすがは弁護士弁理士さんといったところで、渡した資料について、1、2週間で分からないところは、いろんな本やネットで勉強して、内容をほぼ理解してしまう方がほとんどです。

そして、2、3回の打ち合わせで、無事それっぽい特許文書が完成して、申請を行い通れば、特許取得となります。

特許の収入

さて、特許と聞くと一番気になるのが、特許の収入ですよね。医療関係の特許なんかは、すごい額の収入となったりしますが、ゲーム関連はどうでしょうか。

ゲーム会社社員の特許収入は、年間数万円~40万円程度

残念ながら、私は年間数万円程度の収入しかありません。特許は雑所得のため、20万円を超えると確定申告をしなければいけませんが、20万を超えたことはありません。

私が聞いた中で一番特許収入が多かった人で、年間40万とかだったと思います。まあ、ちょっとしたボーナスと言ったところですね。

実際、会社に所属している人は、会社の特許となっていることが多く、発明者として取り分はありますが、やはりそんなに多い額にはならないようです。

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まとめ

といったところで、特許について何となく書いてみました。特許というと、ゲームにはあまり関係なさそうに見えますが、意外とゲーム会社は特許を取ることに積極的です。しかし、残念ながらゲーム開発者自体は、特許について無関心な人が多く、ゲーム会社の意向とは裏腹に特許を取得している人は少ない印象です。まあ、2、3個取得したからと言って、たいした収入になりませんからね。会社としてはそれなりの利益やメリットがありそうですが、まだまだゲーム開発者にとっては、特許を狙って取りに行くようなものではなさそうです。

 

以上、ゲーム開発技術における特許についてでした。