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とあるゲームプログラマーのブログです。ゲーム業界やゲーム開発、ゲームの感想、雑記などを書いています。

ゲームの開発費

こんにちは!のりです。

残業300時間の記事で「そんなに残業していて予算的に怒られないのかな」というコメントを頂きまして、ゲームの開発費について書いてみたくなったので書いてみようと思います。

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結論から言えば予算的に怒られることはありません。もちろんプロジェクトによると言えばよりますが。

まず、開発費の計算方法ですが、何にお金がかかるかと考えた際、PS4などの開発機材やPCや電気代などいろいろ考えるかもしれませんが、実際にそのようなものはほとんど考えず、一番重要なものは人件費です。

むしろ、ゲーム開発における開発費は人件費のみです。

さて、人件費とはどのくらいかかるのでしょうか。月給20万の人が1年間開発したら20万×12ヶ月で240万ということでしょうか。実はこれは違います。ゲーム開発に関わらず、IT技術者全般に使われる目安として人月単価というものがあります。

人月とは1人が1ヶ月仕事をすることを意味していて、人月単価とは1人が1ヶ月仕事をする上でかかる会社の費用を意味します。給料とは違います。

例えば、月給20万の人の人月単価が100万だったりします。これは、月給20万に会社の家賃や光熱費、管理費、保険料などを社員数で割って振り分けた金額となります。大きい会社などは家賃や光熱費なども高いので、必然的に人月単価が高くなります。

つまり、人月単価100万の場合、月給20万の人が1年間開発する際の開発費は、100万×12ヶ月で1200万となります。

240万と1200万ではだいぶ違いますね。

実際に、小規模、中規模、大規模といったわけ方で、開発費がどのくらいになるか計算してみたいと思います。

小規模となると、10人くらいが1年くらいで開発する感じでしょうか。

この場合、人月単価を100万とすれば、

100万 × 10人 × 12ヶ月 = 1億2000万となります。

こうしてみると、10人くらいの小規模の開発でもけっこうかかりますね。

しかし、ゲーム開発で1億円前後であれば、だいぶ費用が抑えられていると言えます。

次に、中規模ですが、50人くらいが1年くらいで開発といった感じですかね。

同じように、人月単価100万とすれば、10人から50人に増えただけですので、

単純に上記の1億2000万の5倍となり、6億円となります。

このくらい規模のプロジェクトはけっこう多いと思います。それなりのアクションゲームやRPGなんかがこのくらいです。

そして、大規模となると、100人くらいで1年といった感じです。

これも、50人から100人に増えたと考えると、6億の2倍で12億です。

このくらいの開発費だとゲームをしている人であれば、だれでも聞いたことがあるような有名タイトルの開発費となります。

ちなみに、残業代ですが、かなり残業したところで、残業代がこの人月を大きく超えるようなことはあまりないので、他の残業しない人と合算してしまえば、大抵帳じりが合います。

また、人月単価100万の人が10人で2ヶ月働くと、2000万ですが、残業代が100万くらいになった人が一人いたとして、その残業によって、1ヶ月で完成してしまうということがあれば、1000万+残業代100万で、開発費が1100万で済むということもあります。

または、8人で2ヶ月開発して、1600万で、一部の人が残業で200万くらい使ったとしても、1800万で2000万よりお得です。

つまり、費用的には一部の人が残業して少しでも早く完成させたり、少ない人数で一部の人が残業して頑張った方が安く済むことが多いのです。

なので、残業しすぎて、予算的に怒られることはあまりありません。

とは言え、大半の人が人月単価並みの残業代を稼ぎ始めると、開発費が倍になってしまうため、そのような場合はさすがに怒られることもあります。特に開発費が10億以下の場合は、20億などになると広告費などがなくなってしまうため、深刻な事態となります。

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開発費12億くらいの大規模なプロジェクトでも、全員がすごく残業したら怒られるのなら、やっぱり怒られるのではと思うかもしれませんが、超大規模なプロジェクトというものも存在します。

一般的に言われるAAAタイトルというやつですね。

このようなタイトルは、予算はいくら使ってもいいから、とにかく良いものをできるだけ早く作ってくれと言われることが多いです。

予算をいくら使ってもというのは、ソニーさんや任天堂さん、マイクロソフトさんからハード普及のために、キラータイトルを作ってくれと開発費を援助される場合や、会社が社運をかけて開発するようなビッグタイトルの場合です。

この場合は、むしろ残業ウェルカムな状態です。残業代でも何でもいくらでも使っていいし、開発PCとかを全員分超高性能PCに買い換えてもいいから、と言った感じで、とにかくバブリーに開発されます。

そのかわり、クオリティはものすごく高いものを要求されますし、ボリュームも桁違いのものとなります。

開発費でいうと、人月単価150万で200人で3年くらいが標準的だと思います。

150万 × 200人 × 36ヶ月 = 108億

と言った感じです。

私が知っている国内AAAタイトルの開発費では、下記のようなものがあります。

100万 × 100人 × 120ヶ月 = 120億

150万 × 400人 × 36ヶ月 = 216億

海外のAAAタイトルなんかでは、300億や400億かかっているタイトルもあります。

まあ、実際開発費が100億を超えたら、ゲームをやらない人も名前は聞いたことがあるくらいの超有名タイトルです。

結論として、プロジェクトの一部の人がものすごく残業する場合と、AAAタイトルの開発においては、ものすごく残業しても予算的には怒られないってことですかね。

以上、ゲームの開発費でした。